熊野筆ができるまで

The Process

原材料から完成品まで、全製品を自社で一貫して検品

瑞穂の生産工程は、ひとつの工程を熟練した経験を持つ専門家がそれぞれ担当する「分業体制」で厳しく管理されています。また、原材料の選定から組み立て、完成品の検品に至るまで一貫体制を持っており、OEM、カスタマイズのさまざまなご要望に対しこまやかにご対応することができます。穂先には時代に沿いサステナブルも考慮した天然毛(食用動物の毛)や天然毛のタッチに近いオリジナルの人工毛とを組み合わせ、自然を尊重し地球環境への影響をより少なく抑える努力を続けています。このように、各セクションの専門家の厳しい目利きでチェックされた製品が、一貫体制の手作業で組み立てられ、品質の安定した、穂先の美しい筆が製造・開発されています。

原材料から完成品まで、全製品を自社で一貫して検品

製品が出来るまでの流れ

1整毛

整毛・選毛

丁寧にクシをかけ、毛を均等に揃えます。 お客様の要望する使い心地や肌触りに応じて、種類の違う毛を混毛します。

2 逆毛・すれ毛取り

逆毛・すれ毛取り

毛先をきれいに整え、半差し(小刀)で逆毛・すれ毛などを丁寧に抜き取ります。指先の感覚で一本一本肌触りの悪い毛を選別し取り除いてゆくこの作業は、長年の経験と勘がものを言う工程になります。瑞穂ではこの工程を何度も行うことによって、高品質で肌触りの良い化粧ブラシを生み出しています。

3 山出し

山出し

「山出し」の工程では「コマ」と呼ばれる木の筒を用います。
コマの中に毛を入れて、毛先を山型に整え、形状を作ります。
OEM商品の製作では、お客様のご希望にあわせた形を実現するため、コマを毎回作り変えます。

4 穂首と金具をつける

穂首と金具をつける

山出しされた穂首の1本1本の毛丈や形状を確認しながら金具に穂首を挿入し、金具と穂首を接着剤で固定します。しっかりと固定させた後、洗浄します。

5 軸付け・検品

軸付け・検品

洗浄後、穂先を十分に乾燥させ、軸(ハンドル)を取り付けます。 改めて毛抜けや毛切れなどの検査を丁寧に行い、穂先を整えて、出来上がりです。

山羊

山羊

化粧筆・洗顔筆など多種にわたり最もよく使われる素材です。
柔らさと適度なコシを兼ね備え、粉含みも良いので、パウダー・チーク・アイシャドウ用など幅広い用途に使用できます。
痛みにくく、どの化粧材とも相性が良い扱いやすい毛質です。
部位によって毛の種類が分けられ、化粧筆では、細光峰・粗光峰・白尖峰・黄尖峰と呼ばれる種類を主に使用します。種類によって肌あたりも大きく変わってきます。

灰リス

灰リス

とても繊細で柔らかく、肌あたりの良さは抜群な素材です。
コシ・発色は弱いものの、フィニッシングやパウダー用として使うと、艶やかな肌に仕上がります。
チークやアイシャドウ用としても使われます。
高価ですが、優しいタッチを求めるには最適な毛質で、山羊やポニーなどとブレンドすることで、適度なコシができ、粉含みがよくなります。

松リス

松リス

柔らかく繊細で滑らかな毛筋が特長の素材です。
毛丈は短めで毛先のまとまり感が灰リスよりも少し欠ける毛質です。
優しい発色であるため、ハイライト用として、またアイホールにふんわりとカラーをのせるアイシャドウ用に適しています。

ウィーゼル(セーブル・イタチ)

ウィーゼル(セーブル・イタチ)

コシが強く滑らかな毛筋ながらも、毛先は繊細な素材です。耐久性があり、練り状の化粧材にも使用できるため、アイシャドウ、アイライナー、リップ用として適しています。
上質な画筆・ネイルアート筆にもよく使われます。

コリンスキー

コリンスキー

しっかりとしなやかな毛質で非常に高価な素材です。 ウィーゼルとよく似ていますが、毛先が長くよりまとまり感のある毛質です。
毛先を使って繊細な作業をする、ネイルスカルプチャー・歯科技工用として適しています。

パーミー(オロンピー)

パーミー(オロンピー)

毛筋が粗く毛丈の短い素材です。
コシはしっかりありますが、粉含みはあまりよくないため、イタチやポニー、ウォーターバジャーとブレンドして、アイシャドウやアイブロウ用として使うことが多い素材です。

玉毛

玉毛

毛先が玉のように丸みを帯びているため、とても優しい肌あたりの良い素材です。
柔らかいながらも、コシがあり発色に優れています。
毛丈が短く高価なので、小さいサイズのアイシャドウ用として、また微細な線を描くネイル用等に使われます。

ポニー(馬毛)

ポニー(馬毛)

粉含みは適度に良い比較的安価な素材です。
毛質の安定性に欠けますが、化粧筆としてはチークからアイシャドウまで幅広く使われます。
毛質のばらつき軽減のため、また形状に安定性をもたせるために、他の素材とブレンドすることで素材の良さが引き出されます。

ウォーターバジャー(水ムジナ)

ウォーターバジャー(水ムジナ)

アイブロウ用として最も多く使われる素材です。
毛先までコシがありがならもすっと細いので、眉尻の線が描きやすく、また足りない部分にしっかり色をのせることもできる硬さのある毛質です。

PBT(ポリブチレンテレフタレート)

PBT(ポリブチレンテレフタレート)

人工毛で、色や毛先の径(0.05mm~0.2mm)、形状によって様々な種類のある素材です。
コシがしっかりあり、リキッドやクリームの滑らかなのびをもたせるので、ファンデーション、コンシーラー、リップ用に使われる他、パウダー用に適した種類も開発されています。 化粧筆の他 ネイルアート筆、画筆として幅広く使われます。